「臥遊」とは![]() 「臥遊」とは紀元3世紀に宗炳が確立した山水画の基礎となる言葉です。 紀元前の中国では、山は神が宿る神聖な場所とされていました。
都市の喧噪を逃れ、一日中、山で過ごすことは神に近づく行為でした。 「臥して以って之に遊ばん」とは年老いた宗炳がかつて登った山を描いて 床に臥しながらその絵を眺め、山で過ごした時と同じ境地になることでした。 「遊ぶ」とは日常から心身を解き放ち、神聖な場所に身を委ねるという意味です。 「臥遊」において宗炳は透視遠近法を確立し、造形、光、季節など 自然の情景を墨の濃淡で表現することに成功したといわれています。 自然を銀の濃淡(グラデーション)で写真を製作する私達の活動は 「臥遊」と通じることから工房の名前としました。 フィルム写真の銀のグラデーション(諧調)は白から黒まで
カラーのスケールをはるかに超える繊細さが魅力です。 カラーフィルム、そしてデジタルと、写真が益々現実の複写として扱われるようなって、 このグラデーション(諧調)の魅力が再認識されることはいまだにありません。 しかしいつまでも色褪せないどころか、見る度に新鮮さを感じるその魅力は いったいどう説明すれば良いのでしょうか。 色を廃した光による銀の模様は私達に想像力を掻き立て止みません。 |